稲葉農園ロゴマーク・VI

富山県上市町広野新の稲葉農園さんのロゴマーク及び名刺、フライヤー、各種パッケージを制作させていただいております。稲葉農園さんは代々の農家さんで、昨年法人化されたタイミングで、ロゴマーク等の制作を請け負わせていただきました。

20代で家業の農業に就かれて現在40代前半の稲葉悟さんは、高齢化が進む農業界の中ではかなりお若いということで、個人的にも興味があり以前より何度もお話しさせていただいていて、(取材も何度かさせていただきましたが、形にできず申し訳ない気持ちでいっぱいでした。)一緒にグラウジーズの交流イベントなどにも参加させていただいたこともありました。

話を聞かせていただく中で知った、代々こだわって作られているお米の栽培法や今積極的に他の若手農業家さんや料理人さんとの交流の中で進めておられるいちごの栽培やイタリア米栽培などの新しい動き、常に工夫を凝らし、収穫量よりも美味しさを優先し、丁寧に栽培されるその姿勢をロゴマークに落とし込みたいと考えていた時に、「ヨーロッパでは生産者のサイン付きの農産物が最も価値が高い」という話を聞き、これに勝るロゴマークはないだろうと思い至り、稲葉さんにお願いし、サインを書いていただき、それらの中から選んだひとつをベースに、いいとこ取りし微調整して作ったのがこのロゴマークです。

剱岳のふもとに拓けた丘の上にある農地のイメージからなだらかな曲線とサインを、山と農地の関係に見立ててデザインしました。

何よりサインを使ったことで、作り手の人間味やひとつひとつが「作品」として作られたものであるという価値観を感じていただけるものになったかと思います。