「とやま日季」お出かけリポートシリーズ
あらためて、地元の私立美術館「西田美術館」です。
私が小学生の頃にオープンしたこの美術館、
当時親に連れられて行きましたがその時何を見たか全く記憶にありません。
子供の頃は美術館て息が詰まりそうな空間に難しい作品が並んでいる場所という印象で、
絵を描くのは好きでしたが、美術館はあまり好きじゃなかった!
美術館アレルギーだった?!
なので、作品より展示室の雰囲気とか匂いとか、2階のラウンジでオレンジジュースを飲んだその色とかそういう断片的な記憶しか残っていないのですが、
それから大人になってもしばらく行くことはありませんでした。
子供の頃に持っていた美術館アレルギーはとっくに克服しても
田舎の小さな美術館という先入観から、足を運ぶことはありませんでした。
なので、次に行ったのは2013年!
地域に根ざした仕事をしたいと思い始めて色々と身近にあるものを見直して行く中で、
西田美術館はひときわ異彩を放っていました。
1階常設展は美術品を愛でるというよりは博物館で脳内時間旅行をするような感覚になれるし、
2階のロシアイコンも日本で2つしか収蔵しているところがないといううちの一つだしその数も私立美術館の所蔵数とは思えないほどの数。
まあ、希少性に感動したというわけではないのですが。
実際学芸員さんに話を聞きながら見ると非常に興味深いです。
ひとつの作品でも人と背景のタッチが違っていたり、よく見るとちょっと下手な部分があったり、
これは
分業制で職人さんたちが流れ作業的に描いていったためだそうで、
そういう点でも美術品の枠を超えているのです。
話を1階に戻しますが、
美術品の枠を超えているという点で言うと、
1階の常設展の紀元前作の展示品には驚かされます。
デザインとして現代の人間が見ても美しいもの、おしゃれなもの、カッコイイと思えるものがたくさんあります。
人間の美的感性は紀元前から変わってないのかもしれません。
私はここで初めてガラスの銀化と言うものを知りました。
土の中に数百年間埋まってないと起こらない化学反応で、
玉虫色に光ります。
数百年の時に想いを馳せます。
写真ではうまく撮れませんでしたのでぜひ実物をご覧ください。
あとは壺!
用途がはっきりわからないものもあれば、興味深い謂れのあるものもあり、
面白い。
この魅力に気づいてから、身近にこの私立美術館があると言うことが、
誇らしくなりました。
※美術館の許可を頂いて撮影しております!